代表挨拶

聴覚障害をもつ医療従事者の会ホームページにお越しいただき、ありがとうございます。
代表の関口麻理子です。私は1994年医師免許取得し、以来病院で勤務医として働いています。私が免許取得時、医師法には聴覚障害者には免許を与えないとされる欠格状況が存在していました。現在は絶対的な欠格条項は撤廃されており、医療資格を取得する聴覚障害者は年々増加して、職種や活動の幅も拡がってきています。
そして、事務職等、特別な国家資格を持たずに医療や介護分野に携わる聴覚障害者も徐々に増えてきています。医療は介護、福祉の分野に連続した関係があること、医療は国家資格のある職種だけでは成り立たず、より多くの職種で作られていることを鑑み、この度、当会の入会資格に全ての医療、介護、福祉に従事する聴覚障害者を加えました。
障害の程度も、就労の場も違いますが、それぞれの現場での困りごとや課題、工夫や取り組みを持ち寄り、互いに学び合いながら試行錯誤をし、よりよい就労環境を目指していきたいと考えています。
また、残念なことですが、専門教育の場での聴覚障害への理解や配慮はまだ十分とは言えません。実習や新人教育の場での理解不足から、十分な教育が受けられず、医療の道を諦めたり、活動の場を広げられずに苦労している仲間が沢山いることも現実です。聴覚障害をもつ医療従事者はまだ世間一般には知られない存在であり、聴覚障害をもつ子供たちが将来の職業としてイメージを持つことができず、進路として選択されにくい状況もまだあります。
当会では、私たちの経験をもとに、医療現場等での聴覚障害者の就労環境の改善が一般化されるように取り組むとともに、聴覚障害をもつ医療従事者の存在を皆様に知って頂き、聴覚障害をもつ子供たちの将来の選択肢として医療職が当たり前に存在するようになる事を願っています。また、医療の現場での聴覚障害への理解を深め、聴覚障害者が医療サービスを受ける際の壁を少しでもなくす事を目指していきたいと思っています。
どうか皆様のご支援、ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。